『無題』
「先ず、空間・・・・。
・・・君達・・人間が〝夢〟と称するもの。
あれの中で出会ったのは私じゃなくて、《主人(マスター)》。」

「・・・唐突すぎて、ついていけないんだけど・・・」


「出だしから!!?」


そのあと、でももっとわかりやすく、と頼んだ所何か一人で、人間の理解力が...とか今の空間では...とかブツブツと独りで何か言っていたが。

やがてもう一度。

「・・・じゃあ、もっと簡単に言うから」

その変わり、一回で信じてよね、と。


また、あの笑み。

クスリ、と。


やはり、変わらず嫌な感じを覚える。


明るい表情をしているのに、声も明るいのに。

笑い方だけが、変に浮いている。



まあ、今考えてもどうともならない。


話す事へと集中すべく、一度深呼吸をしてから、彼女の話を聞いた。
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