君の詩を聴かせて



 こんなに心が荒れたことなんて、今までなかった。

 モノクロだろうが、平穏に過ごせると思ってたのに…!

 唇を噛み締めたら、血の味がした。

 それでも落ち着かなかった。


「…大和、どうしたの?」


 他の奴がどうなろうが、俺には関係なかった。

 けど、アイツだけは違ったから…。

 このまま一緒にいても、傷付けることしか出来ないってわかったから

 だから、離れたのに。


「なんで、来たんだよ…!」


 離れたらもう、お前と向き合わなくて済むと思ったのに。

 胸が苦しくなって、何かが零れ落ちそうだった。

 それでも何も、零れない。

 けどこの痛みは本物で…

 …これが現実だということを、思い知らせてくれた。

 どうしてここにいるんだよ…円香。





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