君の詩を聴かせて



 祥次はバカだけど、顔もいいし性格も明るいからモテる。

 自分で渡せばいいのに…ゴクロウサマ。

 5つある箱をとりあえず床に置いて靴を履き替える。

 ていうか、食べ物を下足入れに入れるってどうなんだろう…。

 色とりどりの箱を見た。

 不衛生だし…臭そう。

 まあ…祥次のだからいっか。

 拾い上げてのんびり教室に向かう。

 2階だと楽だよなー、本当は1階が良かったけど。

 これも5組の定めか…。

 ドアが開いていたからそのまま入る。

 それから、祥次の机に落としておいた。

 自分の席に向かうと、これまた色とりどりの箱。

 …祥次の席もわかんなかったのかな?

 少し、自嘲して移してやる。

 今年も仕事完了…。

 さ、本でも読も。

 図書館で借りてきたのは、『世界ほ乳類図鑑DX』。

 いいよね…ほ乳類。

 は虫類も好きだけど。


「おはよー」


 真剣にコビトジャコウネズミの欄を見ていると、聞き慣れた声が降ってきた。


「おはよう!」


 ついでに友だちの声も。



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