君の詩を聴かせて



「っ…ありがとう、」


 少し赤くなった円香に曖昧に笑いかける。

 去年は確か…香水とマシュマロだっけ。

 その前がテディベアとマカロンだったなぁ。

 まあ今年が最後…だし。

 いつまでも使えるものが良かったんだよね。

 ふと、マグカップの白うさぎと目が合った。

 振り返って俺を見上げる白うさぎ。

 俺の代わりに…円香と一緒にいてよ。

 俺はもう円香のそばにはいられないから。

 頼むよ?白うさぎ。

 卒業まで、あと5日。





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