君の詩を聴かせて



 でも放っておけない。

 いつものT字路に出る。

 そこで手を離して、向き合った。

 …俯いてて、目は合わない。

 それが普通か。


「…じゃ、」

「あ……っ」


 待たないで歩き出す。

 何だか、心臓がズキズキ痛む。

 何だろ…病気かな?

 浮かんでくる答えに気付かないフリをした。

 もう…戻れない、んだ。

 そのとき暖かい雫が俺の頬を伝った。


「…?何で…、」


 拭っても拭っても止まらない。

 心臓の痛みは増すばかり。

 この痛みは、どうやったら止まるんだろう…。







―――――







 春休みに入ってから作曲ばかりしていた。

 おかげでストックが5曲。

 どうせ暇だから、っていつものところで歌い続けた。



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