君の詩を聴かせて
「高校は何とか同じとこ行けるんだけど…
全然話せないんだよね」
「…うん」
「どーすればいいのかな??」
ふむ…どうすれば、か。
でも俺、よくわかんないんだけど…。
「…仲はいいほう?」
「普通…かな」
「じゃあまず挨拶からね。
挨拶されて嫌って思う人、めったにいないから」
俺は面倒って思うけど。
てか俺の場合、言われたから返してるだけか…。
「挨拶ね、OK!
ありがとね、大和!」
にっこり笑うアオイ。
ギャルメイクも…嫌いな人、いるけど。
それは言っていいのかな…。
「大和ー……あ、れ」
「…円香?」
久しぶりに見る円香。
だって…あんな別れ方したら、ねぇ…。
「何か用?」
「…あー……別に、大和が見えたから…。
その子、誰?」
大きな瞳にアオイを映す。
派手なアオイとは正反対に、すっきりとした円香。
白のふんわりとしたワンピースに薄い色のジージャン。
やっぱり円香って、白が似合うな…。