君の詩を聴かせて
♯2
―モノクロビジョン
高校に入学して数週間。
やっぱり俺は、馴染めずにいた。
移動も昼休みも1人。
まあどうでもいい奴といるよりはいいし…。
そんなわけで、俺はいつも1人だった。
俺以外にも、1人の子はいたけど。
関わるつもりはなかった。
生物室で行われる生物の授業。
今日はコミュニケーションをはかるために…カエルの解剖だ。
…どうやってコミュニケーションとるんだって話だけど。
あ、カエルじゃなくて人間とか…。
「カエルいやぁっ!!!!」
クラスの女子が叫ぶ中、遠巻きにその光景を見ていた。
…円香もカエルだめだったっけ。
何か…バカらしい。
俺たち哺乳類の祖先は爬虫類なのに。
言わば遠い親戚みたいなものじゃないか。
……やっぱり、仲良く出来そうにない。
ぼーっとしながら先生の説明を聞く。
「……哺乳類の祖先は爬虫類なのに」
小さな声でボソッと誰かが呟いた。
机越しに横を見ると、バチっと目が合った。
確か…柏木 琉愛(カシワギ ルア)、さん。