君の詩を聴かせて



 この表現は可笑しいかもしれないけど、琉愛には合ってる。

 いつも冷静だからね。


「…わかった、じゃあ明日の放課後。
 用意しとく」

「うん、じゃあまた明日ね」


 琉愛はバス通だからバス停で別れる。

 心なしか機嫌がいいみたいだ。

 ほう…よかった。

 改札を通って階段を下っていく。

 ほとんどの人は部活見学をしてるらしく、そこまで人がいない。

 俺も部活考えなきゃな……帰宅部でいっか。







―――――







 翌日の放課後、俺は琉愛の家に行った。

 琉愛の家はグレーのマンション。

 3階の端で門が付いていた。

 …こうゆうのって、高いんだっけ。

 徐々に染められていく髪。

 地肌がビリビリするような…気のせいかな。

 少しずつ明るくなるらしく、まだあんまり変わってない。

 ま…いっか。

 お礼と言っちゃなんだけど、いつものところに来て歌うことになった。

 カミングアウトしたのに琉愛の反応は


「…ふーん」


 だった。

 興味ないんだなぁ…。



< 53 / 104 >

この作品をシェア

pagetop