君の詩を聴かせて
この表現は可笑しいかもしれないけど、琉愛には合ってる。
いつも冷静だからね。
「…わかった、じゃあ明日の放課後。
用意しとく」
「うん、じゃあまた明日ね」
琉愛はバス通だからバス停で別れる。
心なしか機嫌がいいみたいだ。
ほう…よかった。
改札を通って階段を下っていく。
ほとんどの人は部活見学をしてるらしく、そこまで人がいない。
俺も部活考えなきゃな……帰宅部でいっか。
―――――
翌日の放課後、俺は琉愛の家に行った。
琉愛の家はグレーのマンション。
3階の端で門が付いていた。
…こうゆうのって、高いんだっけ。
徐々に染められていく髪。
地肌がビリビリするような…気のせいかな。
少しずつ明るくなるらしく、まだあんまり変わってない。
ま…いっか。
お礼と言っちゃなんだけど、いつものところに来て歌うことになった。
カミングアウトしたのに琉愛の反応は
「…ふーん」
だった。
興味ないんだなぁ…。