君の詩を聴かせて

―crazy moon




 今日も代わり映えのない日常を過ごした。

 琉愛との会話はすごくタメになるけど。

 やっぱり…世界は、モノクロだ。

 帰りのSHRが終わって、のろのろと支度をする。

 今日はどこか寄って行こうか…。

 琉愛の意見も聞かなきゃな。

 いつも2人でいるせいか噂になったけど、放っておくことにした。

 2人共どーでもいい、って感じだし。


「…大和、遅い」

「あ、ごめん」


 ぼーっとしてたせいか、琉愛が催促してきた。

 珍しい…そんなに遅かったかな。

 立ち上がりかけたそのとき、誰かが俺の前に立った。


「蕪木 大和!」


 目の前の人が机に手を叩き付ける。

 うわぁ…痛そう。

 すごい音したし。

 ええと、この人は……


「…誰だっけ」

「…1年2組出席番号28番渚 雪(ナギサ ユキ)」


 隣にいた琉愛が教えてくれた。

 琉愛って結構人の名前覚えてるよね。

 この人違うクラスなのにすごいねー。


「で、渚さん?俺に何か用?」

「アンタ音楽やってるでしょ!?
 軽音部入りなさい!」



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