君の詩を聴かせて



 愛しのハニー??

 そんな人いたっけ…?


「誰のこと?」

「おまっ…、川口のことだよ」

「円香ねぇ…まあ、知ってるけど」


 愛しのハニーではないな、うん。

 ただの幼なじみだし。

 祥次とは小学校からの仲だけど。

 円香とは保育所のときからの仲だし。

 つまり3歳くらいから?

 いや、もっと前?よくわかんない。

 表には第一志望の高校が書かれている。

 推薦か一般かも。

 出席番号順だから、俺は上のほう。

 ……うん、間違ってない。


「…なに、これ……」


 ふと、隣に立っていた円香を見た。

 間違ってたとか?

 確か円香は松山第一で推薦だったよなぁ。

 それか誰か友だちのでも見たのか?

 けど友だちのなら聞いてるはずだし。


「…大和、どういうこと…!?」

「おい、大和…!」

「…え、俺?」


 両隣から名前を呼ばれる。

 うーん、こうゆうとき…どっちを向くのが正しいんだろうか?

 とりあえず表を見た。

 間違えている箇所はない。



< 6 / 104 >

この作品をシェア

pagetop