君の詩を聴かせて



 琉愛の発言に吹き出してしまった。

 そんな一般的なところに行きますか…。


「…大和は、折れると思うよ」

「え?」


 笑いを止めて琉愛を見る。

 折れるって…俺が軽音部に入るってこと?

 いや…ないだろ。


「それはないよ、大勢で音鳴らすより1人で鳴らすほうが好きだし」


 それに…部活に入ったらこうやって琉愛と一緒に帰れないし。

 それは困る…。






―――――







「昨日の見たぜ、お前って案外面白いんだな」

「そう?普通だけど」

「いや、普通じゃねえよ」


 面白いのかなぁ…言われたことないけど。

 てゆうか誰だっけこの人。

 少し茶色い短い髪。

 活発そうに肌が黒くなってる。

 性格を現してるのか、口許は上がりっぱなしだ。


「俺は山浦 翔太、よろしくな」

「はあ…よろしく」


 出された手を握った。

 山浦って何か、祥次に似てる。


「…おはよう」

「琉愛、おはよう」

「おはよう柏木」

「…おはよう」


 席に着いて、鞄から本を出す琉愛。



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