君の詩を聴かせて



 しかしその環境にも負けずに真っ直ぐに生き、庇った少女と共に強く生きていく…。

 そんな話だった。

 エンディングで俺の曲が流れ出した。

 最初は抑えたメロディが流れる。

 そして、歌が聞こえた。

 普段の声より少し低い。

 これなら俺って気付かれないかも。


「何かこの曲…」

「ん?」


 梨乃に目を向ける。

 ソファーの上で体育座りをしながら画面を見つめていた。


「暗い、ってか陰湿」

「い、陰湿…?」


 確かにちょっと暗いけど…陰湿か?

 これしか思い浮かばなかったんだけどな…。


「言い返すことは出来ないかもしれないけどずっと覚えてる、なんて陰湿以外にないでしょ」


 ちょっとショック…。

 もしかして他の人もそう思ったのかもしれない。

 もっと明るい曲にすればよかった。

 何でこれしか思い浮かばなかったんだろう…。


「…でも、嫌いじゃないかも」

「え、?」

「誰だってそうゆう人、いてほしいと思うから。
 名前は〜……YM(ワイム)?
 初めて聞いたかも」



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