君の詩を聴かせて
♯3
―特別なヒト
見上げれば、あの日と同じように桜が咲いていた。
季節は春、中学を卒業して…もう、1年が経った。
桜の花びらが舞う。
俺は1年前に比べて、何かが変わったんだろうか。
…何か、変われたんだろうか。
きっと何も変われてないんだろうなぁ。
「大和ーよう」
「あ、山浦。おはよう」
「おう、あ、俺ちょっと行かなきゃいけないとこあるからクラス見ててくんね?」
「わかった、いってらっしゃい」
山浦を見送ってクラス表を見に行く。
俺たちは無事、進級した。
去年はまあ…ライブ参戦したり海行ったり、何かと忙しかった。
それがカラフルかって言ったら別だけど。
「えっと…」
高くなったおかげか見やすい。
測ってないからわかんないけど、170は越えたはず。
1組から順に見ていく。
「…あ」
2‐2…か。
幸い、琉愛と山浦は同じクラスだった。
探す手間省けて良かった。
琉愛もいないから見とかなきゃだし。
それからこの人、