君の詩を聴かせて



 それから強引に掃除をさせて、始業式。

 相変わらず長い校長の話を聞いて、LHR。

 それも終わると昼休み。

 午後は実力テストだから…ちょっとは勉強しないとな。

 琉愛と山浦と葵と食べながら考える。

 いつもより早く食べ終わった葵が立ち上がった。

 いつも以上に早食いだな…。


「大和、行こ!」

「…もしかして4組?」

「うん!ほら早く!!」


 まあいいけど、さ。

 俺も早く弁当を食べて4組に行く。

 葵が4組に行く理由は1つ。

 編入生は関係ない。

 俺と葵が知り合うことになった原因。


「――伸也!!」

「お、葵。今日も元気だなー」

「ふふん、まあね!」


 去年同じクラスだった、真島 伸也。

 初めて喋ったとき、言ってた人。

 葵と真島は中学から一緒で、ずっと片想いなんだってさ。


「蕪木も2組?」

「うん」

「へー、こいつよろしくな」

「…うん」


 …葵の視線、気付いてないのか?

 真島が俺のこと見てくるから睨まれてるんだけど。

 相変わらずのギャルメイクで怖いんですけど。



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