◆あの日の私が願ったこと

辛い時間はただひたすらに毎日流れる。

喧嘩しない日なんてなかった。

喧嘩というよりも
ただ私が言われ続ける喧嘩だった。


殴られては叩かれ
体にはアザや傷がたえなかった。

ハイソックスを下げた足には
無数の紫の斑点が目立った。

それを見る度に私は
涙を流して疲れ果てた。


学校へ行って
殴られるために樹の家へ行って
泣いて家へ帰る毎日だった。


今思えば本当に馬鹿らしい。

くだらない毎日を過ごしてた。



嫉妬深い樹を前に

クラスメイトの男子と話すだけで
その日は一日殴られ続けた。

学校が終わったあとで。


そのたびに無理矢理犯された。

学校でもされかけたり
外でもされかけたりした。

抵抗したけど
抵抗すれば殴られるのは
当たり前になっていた。


こんなこと
無理矢理させられるなら

殴られた方がマシだ。

そう思って私は
抵抗する度殴られてた。


無理難題を迫られて
そのたびに
出来る限りの事をしてきた。


だからこそ
樹にとって私は

「都合の良いおもちゃ」

にしかなっていなかったと思う。


それは自分の思う通りに動くし
手放したくなくなるのも当たり前だ。


ストレスで
胃痛が激しかった私の体は
すでに限界を超えて居た。


その日の夜もメールで
ただ暴言がかかれたメールが
私に送られていた。

いつものことだけど
この殴られている、という事実を

友達も先生も知らなければ
親なんて勿論知らない

誰に頼れるはずもなく
一人で抱え込んでいた私は

その日あまりにも疲れすぎて
貧血を起こして倒れた。

そのまま病院へ運ばれて
点滴を受けた後、
家へ帰った。

家に着いてからメールを返せば

返信が遅いと、
何をしてたのかと問いただされた。


病院に行っていたというと

心配するわけでもなく

「あっそ」

という一言だけだった。

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