◆あの日の私が願ったこと
樹と会わない日が続いていた。
メールもしなくなっていた。
きっと他に好きな子が出来たんだろう。
そう思って、
冬休み中に最期のメールを送った。
『本当に、これで最後にしよう。
別れて下さい。』
そう一言メールを送った。
メールの返事が返ってきたのは
1週間も先の事だった。
「お前がそこまで言うなら別れるよ」
そこで樹との1年半の恋愛が
やっと終止符を打った。
別れてから気付いたこと、
私もきっと寂しさゆえに
あの人を求めて居たことを。
恋人、というものが
当たり前の様な存在になった時
自分しか見えなくなり、
相手の事を考えなくなる。
そして思った。
最初にあった
気遣いや、思いやり、優しさ
全てがおろそかになって行くことを。
相手の短所だけが目に見えてきて
段々と嫌気がさしてくる。
そんなときに
その人しかもっていない長所だと
理解してあげる事が
何よりも大事なことを。
ごめんねの数だけ
ありがとうを増やすこと。
ごめんねや
ありがとうの数だけ
その人を愛していく事を
ちゃんと意識して付き合うこと。
そうすれば私はまた
こんな過ちを犯さずに
ちゃんとした恋愛が出来ると。
そう願った。
樹との恋愛を終えた後に
寂しさゆえに泣いたこと。
もしかしたら自分には
本当に大切な存在
だったのかもしれない。
一番最初の彼氏。
一番最初に付き合って、
私を初めて愛してくれた人。
いろんな初めてを貰って、
いろんな事を学んできた。
本当にありがとう、
そう言って
私は樹に別れを告げた。