メトロノーム


「先輩…っ!」

─バタンッ

私は手紙を読み終えるなり、部屋を…
いや、家を飛びだして自転車で先輩の家まで行った。

夢中で自転車をこいだ。


─ピンポーン

『はい?』
「弥琴…で、す」

─ガチャ

「弥琴ちゃん?!入って!」

息を切らした私をみた先輩のお母さんは私を家にいれた。

「ありが…と、ござ…ます」

リビングに案内されてお茶を出してもらった。
私はそのお茶を一口飲んで、息を整えた。

「あ、あの…私、先輩が…その、この手紙なんですがっ」

勢いできたものの何を言ったらいいのかわからなくて手紙をわたした。

「読んでもいいの?」

わたした手紙をみて不思議そうに聞く先輩のお母さん。
私は首を何回か勢いよく縦にふった。

「じゃ…読ませてもわうわね」

そう言って先輩のお母さんは読み始めた。


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