こうかんにっき
第1章
1合格発表
「受験番号10274ですね………………」
一瞬の沈黙。
「おめでとうございます。合格です!」
「……や、やった」
「よくやったぞ!」
「おめでとう!」
一斉に家族から祝福の言葉が浴びせられる。
そう。僕は本日2005年2月26日に第一志望だった大学に合格した。一年浪人して。
通っていた予備校に合格報告に行くとまた祝福の嵐。授業では見せたことのない満面の笑みで僕に握手する先生もいた。
「うちでバイトしないか?」
突然後ろから声をかけられ、驚いて振り向くとチューターだった先生がいた。チューターとは簡単に言うと予備校の担任の先生といったところだ。雰囲気も見た目も神様のようなチューター。
「あ、菊池先生。お世話になりました」
「どうだ?講師やらないか?」
まだ一度も「おめでとう」って言わないし。ちょっと菊池先生は変わってる。まぁ、そんなとこが僕と似ていて気が合うのかもしれないけど。受験勉強の最中なのにデカルトがどうとか北斎の構図がどうとか、他の受験生がしないようなどうでもいい議論を延々したな。それも今思えば大学で生かされたな。さすが菊池先生。神です。
「講師って僕が?できますか?」
「お前は成績も抜群だし、しゃべりのセンスもある。だから講師には持ってこいの人材だよ」
「やります」
即答した。いや、してしまった。あの時は滅多に褒めない先生に褒められて調子に乗ったが、後々考えると完全に嵌められた。くそぉ…あのハゲおやじ…あ、失礼。だから言ったでしょ、「見た目」も神だって。
こうして大学入学前に早々とバイトが決まったのである。
一瞬の沈黙。
「おめでとうございます。合格です!」
「……や、やった」
「よくやったぞ!」
「おめでとう!」
一斉に家族から祝福の言葉が浴びせられる。
そう。僕は本日2005年2月26日に第一志望だった大学に合格した。一年浪人して。
通っていた予備校に合格報告に行くとまた祝福の嵐。授業では見せたことのない満面の笑みで僕に握手する先生もいた。
「うちでバイトしないか?」
突然後ろから声をかけられ、驚いて振り向くとチューターだった先生がいた。チューターとは簡単に言うと予備校の担任の先生といったところだ。雰囲気も見た目も神様のようなチューター。
「あ、菊池先生。お世話になりました」
「どうだ?講師やらないか?」
まだ一度も「おめでとう」って言わないし。ちょっと菊池先生は変わってる。まぁ、そんなとこが僕と似ていて気が合うのかもしれないけど。受験勉強の最中なのにデカルトがどうとか北斎の構図がどうとか、他の受験生がしないようなどうでもいい議論を延々したな。それも今思えば大学で生かされたな。さすが菊池先生。神です。
「講師って僕が?できますか?」
「お前は成績も抜群だし、しゃべりのセンスもある。だから講師には持ってこいの人材だよ」
「やります」
即答した。いや、してしまった。あの時は滅多に褒めない先生に褒められて調子に乗ったが、後々考えると完全に嵌められた。くそぉ…あのハゲおやじ…あ、失礼。だから言ったでしょ、「見た目」も神だって。
こうして大学入学前に早々とバイトが決まったのである。