ガールズクライ
「おばちゃーん、アイスちょーだい」


優介が、ガラガラと音をたてガラス戸をあける。


むかしながらの駄菓子屋さん。


いまでもこんな店があるなんて、ほんとこの町はいなかだ。

たしかにいなかだけれど、小学生のころは畑やら空き地やらだったところは今風のかわいらしい分譲地ができていたりする。


どんどんいなかじゃなくなっていく。


ちょっと寂しくもなった。
ボーッと駄菓子屋にならぶお菓子をみていたら、水色の袋がとんできた。


それをあわててキャッチする。


「なにボーッとしてんだよ、たべよーぜ。」


「優介あんた、落とすところだったじゃん」


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