ヒレン
「長崎先生」



赤いランプが消えると固い扉が開いた


マスクを外した長崎先生に近づく。その後ろには…



「成功したわ」



搾り出すように告げられた一言にホッと息を吐いた



「シンちゃんを手伝ってくれたんだって?ありがとう」



「いえ。何もできてません」



首を横に振った。



「そんなことないわ」



小さく笑った長崎先生の顔は初めて見る何もかも吹っ切ったような笑顔だった





「先生。幸せになってください」




「…ありがとう」




私も、もう迷わない






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