ヒレン
キスして。


その一言が返ってくるとは思わなかった。





久しぶりに声が聞きたい。


気がつけば電話の短縮を押していた。



留守番電話のメッセージが流れる。



何も残さず電話を切った。


かかってきた電話。




懐かしい、愛しい声。


声が震えていた。




泣いていたのだろうか、堪えて話す声が胸を刺した。


会いたい、そう呟いてカレンダーにバツ印を入れた。


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