ヒレン

Personal Laboratory

人がいなくなったキャンパス


ポツポツと灯りが灯る研究棟。



その中の一室に2人はいた




「もう4月だね。今年はどんな子たちかな」




「どうでしょうね?今年は全体的に入試の成績良かったみたいですし」




背中を智子に向け、秀明は手にとっていた書類を反対の手で小突いた。




「そうね。楽しみだわ」



椅子を回し、座っていた秀明の体の上に膝をのせ手をまわした。




「でもね、何かが起こりそうな気がするの」



秀明は腰に手をまわし、智子の体を引き寄せた。



影が重なり合う。


音さえも聞こえない。





時間が止まる。




「大丈夫ですよ。きっと」





もう1度二人は唇を重ねた


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