ヒレン
「誕生日は祝うってことも大切だけど、生まれてきたこと、無事にまた1年過ごすことができたことに感謝する日…だから、生まれてきてくれたありがとう。来年もまた、こうして過ごしてね…」
「……はい」
そう言ってもう1度唇を重ねようとすると、智子は顔を背けた。
「ねえ、もう少しだけこうしていさせてくれない?」
秀明に体重(からだ)を預ける。
秀明は無言でその身体を抱きとめた。
服に残っている煙草の香り
この香りがこんなにも好きだったこと
こんなにも安心すること
改めて知った。
「……はい」
そう言ってもう1度唇を重ねようとすると、智子は顔を背けた。
「ねえ、もう少しだけこうしていさせてくれない?」
秀明に体重(からだ)を預ける。
秀明は無言でその身体を抱きとめた。
服に残っている煙草の香り
この香りがこんなにも好きだったこと
こんなにも安心すること
改めて知った。