〜last Love〜
□第1章 拉致
「はぁ〜」
吐く息は白く
頬を掠める風は身震いする程寒い
見上げると綺麗な星が輝いている真っ黒な冬の空
下を向くと小さな光が見え微かに車が行き交う姿が見える
「すぅ〜」
俺は大きく息を吸って
一歩踏み出す
ここは勤めていた会社の屋上
俺の手の中にはグシャグシャになった一枚の紙切れ
その紙には
“解雇通告”
と書かれてある
そう、俺は今日会社をクビになったんだ
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