王様ゲーム

中に入ると、主は今日も
人形（いや、ＣＧ？）のように
美しく、怪しい光を放っていた。


『しっ、失礼します。』


「………」

（うわ、すんごい威圧感！）


「隼人、ご苦労様。また呼ぶよ。」

Ｒｙｕｓｅｙは低い声で
静かに言った。

隼人くんは振り返り、
Ｒｙｕｓｅｙに気付かれない
ように私にウインクをして部屋を
出ていった。


（なんだかんだおもしろ
がられてる？私（汗））


「さて、じゃぁ愛美に僕から
今日してほしいことを
言うよ。」


『ハ、ハイ？』


「君は今このお屋敷で大変浮いています。
身なりを整えてきてください。」

『え？あ、でも私はそんなお金
持っていません。』


「わかってるよ。お金は
こちらでいくらでも出すから
とにかく綺麗に。あ、今の愛美
を小綺麗にすればいいから、
整形とかしなくて。」


真顔の口元がゆるむ。

私の顔が引きつる。

（この人本当意地悪。絶対ドＳ
だよ…）


「今日はそれを一日やってきて
もらうよ。隼人と一緒に色々
回って。話してあるから。」


『え、でも…私なんか綺麗に
しても無駄なだけだと…』

「いいから。王様の言うことは？」

そういって美しすぎる瞳で見つめてきた。


『絶対、です…』


ちょっと不服そうな顔して
やった。

王様は無邪気な顔で笑う。

（テレビで見ない顔だ…）


しかし、すぐにまた王様は
Ｒｙｕｓｅｙに戻る。


「まぁ、満喫してきてよ。僕も愛美がどれくらい綺麗になるか
楽しみだよ。
あ、期待はしてないけど。」

またふっと笑う。


（どんな人なんだろう？）


私は少しだけ緊張がとけて
いくのを感じた。

心遣いにうれしくなった。

Ｒｙｕｓｅｙは隼人くんを呼んだ。


イケメンとのデートがはじまる。
緊張して疲れそうだな……