王様ゲーム
ミホに渡された分かりにくい
地図を頼りに、あるカフェへ。

まだ家政婦は決まって
なかったらしい。
かなり怪しいが一応行くだけ
行くことにした。

店員に名前をつげると、奥の席に通された。

年は35くらいのバリッと
スーツの男が私に気付いて立ち上がり、軽く会釈をした。


その男は名刺を差し出した。なにやら会社名と役職が書かれていた。

名前は、加藤しげゆき。

加藤は早速小声で話しはじめた。

「あの〜失礼ですが、30歳で
お子様がいらっしゃるとか?」

ぶしつけな質問に少しだけイラッとしながらも答えた。

『えぇ、掃除するだけなら年齢関係あります?』


私の態度を察して、加藤は慌てたようだった。


「突然すみません。一応30歳以上が条件なので…。」

苦笑いして頭を掻いた。

『どのような仕事内容ですか?』

無表情でそう言うと加藤は紙を出してきた。
その紙には仕事内容と月給が書かれていた。

(掃除、家事少々、時間は自由?給料は50万…本当かよ!?)

心の中でそう叫びながらも冷静に質問した。

『あの、こんな仕事内容で50万てかなりあり得ない金額だと思いますが。』

すると加藤はさっきより
更に小さい声で言った。

「詳しいことは車で話しますので、とりあえず家まで行っていただき、主人に会ってください。面接のことは話してありますので。」

言われた通り車に乗り込んだ。
加藤の説明では、主人が
かなりのお金持ちで有名人
であること、それと、
給料は主人が決めているので
誰も注意できないという
ことだった。

『ちなみに誰なんですか?』


「まぁとりあえず会って
ください。」


そう言うと加藤は黙って
しまった。

(まぁ、嫌なら断ればいいや)

そうこうしているうちに
なにやらものすごく大きな
鉄の門の前で車が止まり
しばらくすると中に入った。
だだっ広い庭を少し走ると
巨大な洋館のような家が
あらわれた。

聞いてはいたものの度肝を抜かれた。

洋館の扉が開かれた。
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