世界一可愛い彼女
出会い
今日もいつもと変わんない日常になるはずだった。
オレはいつものように薫と待ち合わせして、あとから卓也たちと落ち合った。
で、ここからだ。
オレたちは今日もふざけながら登校していた。
「慶夜!聞いて!」
「ハイハイ、今度は何が当たったのかなぁ~?」
「なんと!次はテレビが当たりましたぁ~♪パチパチ~。」
ん?テレビ?
つーかテレビって当たるモノなん!?
「凄いじゃん!!どんくらいの大きさ?」
「んー、結構デカイね!!」
「今日遊びに行くねぇ。」
「おう!!来い!!」
いいなぁ、テレビ。
「何々?どうしたのー?」
「あ、恵末ちゃん聞いて!薫がテレビ当てたんだよ!!」
「へぇー、テレビ?凄いじゃん♪」
だよね~。
「だろっ!?さすがオレだね!!」
「どうしたのー?」
「あ、由美!薫がテレビ当てたんだって!!凄くない!?」
「わぁ!!凄いなぁ!今度遊びに行くね♪」
「来い来い♪大歓迎だぁ~♪」
「スゲーな薫。」
「イヤイヤ、それほどでも~」
オレもテレビ欲しいなぁ。親に頼もうかなぁ。
ワイワイワイワイ。
それより、にぎやかだねぇ。今日も。
「ちょっとアンタら通行の邪魔なんだけど。退いてくれない?」
声がした。凛とした声が。その後からか細い声がした。
「ちょっと嘉菜恵、いいから!違う所から行こう?ね?」
オレたちは後ろを振り向いた。だって、今日の今までオレたちに注意してきた人はいなかったんだもん。
初めて注意されたんだから振り向くよねぇ?
「何で?いけないのはコイツらの方じゃん。道路に横に並ばれたら邪魔でしょ?私らは悪くないじゃない。」
「そ、そうだけど…。」
何?この子達。
とりあえず、
「え、えーっと、ゴメンねぇ?」
謝っておいた。
するとさっきのか細い声の子が、
「い、いえいえ!!あ、あのこちらこそごめんなさい。」
おぉ。
いい子だなぁ、この子。
「何々?慶夜どーした?
わっ!何この子たち、スゲー可愛いんだけど!!オレのもろタイプ!!」
ちょっと、卓也ぁ~。この子達スンゲー困ってんじゃぁん。
えーっと
「ねぇ、君たち名前はぁ?」
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