ぴゅあ☆プリンス
その途端、あたしは動けなくなってしまっていた。
「………っ!?」
驚いて目を見開く。
ドキドキ、ドキドキ…と次第にうるさくなる鼓動に焦りながらも、その男の子から目が離せない。
完璧にあたしは…
「…―――っ、」
その男の子に見惚れてしまっていた…。
どちらかと言えば白い肌に、ふわふわの黒髪。
その髪の間から見える瞳はすごい綺麗で…、どこか優しく見える。
なによりも時折見せる、ふわりと優しい笑顔が可愛くて…、幼い印象を持たせた。
それに、不思議な雰囲気を漂わせていて…、自然に目で追ってしまう。
しばらく経ち、顔に体中の熱が集まったような錯覚に陥って、あたしはハッと目を逸らした。
「どしたの、顔真っ赤にさせて」
「…やばいかもあたし一目惚れしちゃった!!」
「えぇえー!!」
不思議そうに首を傾げてきた小春に赤面しながら早口で告げた。