ぴゅあ☆プリンス
*ふしぎなキミ
「え!?あれから何もあの子と進展なし!?」
「…うん」
進展もなにも…話したこともないし、ちゃんと会ったこともないもん。
「入学式から2週間も経ったのに!?」
「……うん」
早いなぁ…
あの日から2週間かぁ。
――初めての一目惚れから2週間。
幼なじみの友達ということしかあの男の子を知らない。
「そんなガッカリしないの!!蒼君と同じクラスらしいじゃん?行っちゃえー」
はぁ…と屋上の柵に元気なく寄り掛かるあたしに、小春が可愛く微笑んで言う。
「行っちゃおっかなぁ…」
あたしは小声でぽつりと呟いて、また溜め息を吐いた。
ほんとは。本当はね?
あの男の子に"偶然"会いたいの。
…会いに行くんじゃなくて。一目惚れした日みたいに…、
――偶然、
君に会いたいの――…。