ぴゅあ☆プリンス
そんなの、馬鹿馬鹿しいことだって知ってる。
この広い学校。
別の階にある教室。
違う学年。
偶然会うなんて滅多にないし、奇跡だと思う。
それでも。
――あたしはまた君に会えることを…信じてる。
「朱夏!!あたし次の授業出なきゃ単位やばいから行くね。朱夏はサボる?」
「うん」
「分かった!!じゃ、また後で!!」
手を振り小走りで屋上を出ていく小春を見送ったあと、足元に置いておいた鞄を持って歩きだす。
屋上の扉の隣にあるハシゴをのぼって、そこにごろんと転がる。
すぅ…、と瞳を閉じればあの男の子を思い出す。
…会いたい。
……話してみたい。
そんなことを考えながらあたしは、気持ちいい青空の下で鐘の音を聞きながら眠りについた。