ぴゅあ☆プリンス
――…ガチャ、
「…ん、」
静かに開いた屋上の扉の音にピクリと肩を揺らして目を覚ます。
…誰だろ。
のろのろと仰向けになったまま携帯を開けば、あたしが眠ってから30分も経ってない。
しかもまだ授業中。
携帯を横に置いて、ペットボトルの紅茶を少し飲んでから物音立てずに下を見た。
真下の扉には誰もいなく、視線を動かして前を見れば、
柵の近くで空を見上げてる生徒がいた。
「――うそっ…!!」
驚きで目を見開きながら口を手で塞ぐ。
あれってー…
そのまま動かないで見ていると、くるりと向きを変えた生徒がこっちに歩いて来る。
あの男の子だ!!
下から気づかれないようにバッと頭を下げて隠れたあたしは、バクバクとうるさい心臓を押さえる。