カレ×カノ【続】

「楽しかったね〜」

蛇の生殺し状態三時間。

薄暗い部屋に意味なく派手でムーディーなスポットライトに体の密着…―

何度、理性のリミットを越えそうになって押し倒してやろうかと考えたか分からない。

「カラオケなんか絶対に行かねぇ」

「なんか言った!?」

ポツリ呟いた独り言を聞き返され、何でもないと答えると不思議そうな顔をした。

「もうすぐ文化祭だね」

「そうだな」

他愛ない話をしながら、二人で帰る。

そこにある二人の気持ちが違うだけで、こんなに時間が過ぎるのは早いのかといつも思う。

隣に住んでいても、四六時中一緒にいられるわけもなくて…―

お互いの家が近づくと、黙り手を握る力が強くなる。
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