カレ×カノ【続】

家の玄関の前で朱希は立ち止まった。

もう、月だって高く登っていて家に帰らないと親だって心配するのは分かってる。

「入りなよ」

「…おぅ、じゃあな」

名残惜しそうに絡めていた指を離して、玄関のドアが閉まるまで見送った。

「…帰ろ」

お互いの家の距離徒歩20秒。

それでも、ドアを閉めてしまえば朱希が何をしているかなんて分からない。

…―もっと一緒にいたいね。

なんて照れ臭くて言えないけど、朱希ならきっと気付いてる。

まだ、お互いの親には話していない。

あたしが朱希の彼女で朱希があたしの彼氏になった事は。

あたし的には言いたいんだけど…―

朱希は「後々、めんどくさいから言わなくていい」と言った。

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