カレ×カノ【続】
大きくて優しくてゴツゴツしてる朱希の手に包まれると安心する。
「電話切って悪かった」
「…いいよ」
「怒ってんじゃん」
「怒ってないし…」
もう、怒ってなんかない。
ちょっと夢見が激しくて、朱希の顔を真っ直ぐ見れないだけ。
「柚葉ちゃ〜ん!!なぁなぁ〜なぁ…」
「もう〜止めてよ」
朱希が体をつついたり、制服を引っ張ったり…―
「怒ると可愛い顔が台無しでちゅよ〜」
「可愛…」
…―こういう事をサラリと言う。
だから、母さんも喜んだり他の女子からもモテたりするんだ…
「いだだだだだ…手!!向きがおかし!!」
笑顔を作り、繋いだ手をグイッと180度回転させた。
その途端、朱希が痛さで声を上げる。