カレ×カノ【続】
「……言ったね」
「言ったよな」
顔を見合わせ二人で大きな声で笑った。
いつもの、あたし達に戻り学校が見えて来た頃…―
「おはようございます」
背後から可愛らしい声が聞こえて同時に振り向いた。
そこに立っていたのは知らない女子で、微笑みながらあたし達を見ている。
「おぅ…おはよう」
朱希が返事をすると、少し恥ずかしそうにうつ向いて追い抜いていく。
「…誰?」
「ん〜…見たことあるけど…知らね」
「知らないのに挨拶するなんて優しいね〜?ジェントルマン気取りですか!?」
あれは、あたしなんか見えてなかったよね?
しかも、すっごい可愛かったし。
「俺はいつでもジェントルマンだろ?」
「ハンッ!!どこが?ただ可愛い女子が大好物なだけでしょ?」