カレ×カノ【続】
「じゃあ!!後でな」
いまいち納得出来ないあたしを、その場に残して朱希は立ち去ってしまった。
「…帰ろ」
恨めしそうに背中を睨んでも、仕方ないと言い聞かせて歩き出す。
文句の一つでもメールで送ってやろうかと携帯を取り出したけど、止めた。
…―こちらは朱希。
柚葉の後ろ姿が怒っているように見えて、早く用事を済ませてさっさと帰ろうと送るべき相手の待つ保健室に向かった。
先生と、その友達が気分悪そうに俯く女子生徒を気遣う。
「よろしくね」
「へ〜い」
適当に返事をして、荷物を持つとダルそうな彼女の腕を肩に回した。
「ちょ!!先輩!!」
「あ?なに?」
「だめよ!!おぶってあげるぐらいしなきゃ!!」
…―俺が?見ず知らずの女子をおぶる?
「おぶってぐらいやるけどパンツ見えるよ?それなら先生が送ってやればいいのに」