カレ×カノ【続】

唇を噛むと、後ろを振り返り渡り廊下から見える食堂を見つめた。


何だかんだ文句言いながら朱希が楽しそうに見える。

「そりゃ…あんな可愛い子が来たら嬉しいに決まってるよね…」


自虐的な言葉を吐いて誰も気づかない小さな溜め息をついた。
教室までの足取りは重く、後ろ髪だって引かれる。


それでも、朱希を信じるしかないんだよね…と握った拳をトンッと胸に当てた。

< 45 / 50 >

この作品をシェア

pagetop