Tears in Love 〜せつない想い〜下
・・・ドンッ


あたしと長瀬先輩は
誰かに押され、地面に倒れる。



「「・・・!?」」



そして。



その時はきた。



・・・キキィーーーッ



トラックの大きなブレーキ音。



・・・ドンッ!!




誰かが轢かれる嫌な音が、響く。



「「う・・・・・」」



あたしと長瀬先輩は
ゆっくりと体を起こす。


「・・・大丈夫か?柳原・・・」


「はい・・・なんとか・・・」



あたしと長瀬先輩は、
トラックの方に目線をやる。



するとそこには。



血だらけの矢野先輩の姿が。


「・・・・矢野先輩!!?」


「・・・大地!!!」


あたしと長瀬先輩は
矢野先輩の方は駆け出す。


「矢野先輩・・・!」


あたしは矢野先輩の手を握る。


「・・・・柳・・・原・・・・?」


意識が遠くなるような
声で喋る矢野先輩。


「救急車に今すぐ、電話を!!」


「・・さっきしたから
もう少しで来るはずだ!!」


長瀬先輩はトラックの運転手に
そう話をした。


「矢野先輩・・・!


何で・・・こんな・・・っ」


涙を流すあたし。


「何で・・って・・・


お前ら・・は

好きな女・・と・・親友・・

だから・・な」


苦しそうに話す矢野先輩。


「馬鹿野郎・・・!!」


「はは・・・っ

よく・・言われる・・。


跡着いてきて・・良かったよ・・」


「矢野・・先輩ぃ・・・」


大量の涙が、矢野先輩の
胸に落ちる。



「泣くんじゃねーよ・・・。


お前の涙は・・・昔から・・


好きじゃねーからな・・」



「だって・・・だって・・・


先輩が・・・・」



「・・・・泣くな・・・・よ」



・・・スッ


矢野先輩の手が、
あたしの手から離れた。


「「・・・・・!!」」



「・・・や・・・矢野先輩ーー!!」



< 17 / 29 >

この作品をシェア

pagetop