Tears in Love 〜せつない想い〜下
「・・・長瀬先輩の馬鹿ぁ・・・っ


最低な馬鹿野郎だ・・・っ」


あたしは
座り込みながら、涙を流す。


ほら、やっぱり。


あたし達は
結ばれない運命・・・・・・。










その時だ。


「・・・誰が、
最低な馬鹿野郎だって?」


「・・・・っ!!?」


後ろから声がした。


この声・・・・まさか・・・・!!


「・・・あ・・・・あ・・・・」


言葉にならない
言葉を出すあたし。


「・・・やっぱり
東京行くの、やめた」


あたしは
立ち上がり、
その人の胸に飛び込む。



「・・・長瀬・・・先輩ぃ・・・っ」


・・・ぎゅうっ


あたしは
両手で長瀬先輩の服を掴む。


「・・・何で・・・・っ何で・・・っ」


「・・・俺に都会なんて
あわねーし・・・。



それに
東京行ったら、



お前に会えねーから」


長瀬先輩は
あたしの髪に優しく触れる。



長瀬先輩の声が、


長瀬先輩の言葉が、



あたしの心を熱くさせる。



「・・・ばかばかばか・・・・っ!!



・・・・馬鹿ぁ・・・・っ」



あたしは
長瀬先輩の胸を弱く叩いた。



「・・・わりぃ・・・。



遅くなっちまって・・・・・」


「・・・行っちゃうかと思ってた!!


長瀬先輩が
遠くなる気がして・・・っ

怖かったんだからぁ・・・・っ!!」


あたしは長瀬先輩の方を
見つめる。



すると。



・・・ぐいっ




長瀬先輩は
あたしの頭を左手で
胸の中においた。


「・・・ごめん。



俺、泣かさないって
決めたのに・・・・」


「・・・・っ」


「・・・空」


突然、あたしの名前を
呼ぶ長瀬先輩。



あたしは驚いて
長瀬先輩を見つめる。





そして。




「・・・俺、空が好きだ。


空は俺の事・・・好き?」


「・・うん、好き」
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