Tears in Love 〜せつない想い〜下
「あ・・・あははははっ


や・・矢野先輩、
一緒に練習しましょう!」


立ち上がり、
矢野先輩に近づくあたし。


あたしの頬は
赤色に染まっていた。


「・・・?」


あたしを不思議そうに
見つめる長瀬先輩。


「・・いーけど」


矢野先輩は木刀を掴む。


あたしも木刀を手に持って、
矢野先輩の前に立ち止まる。


「・・さっきの早く動く所、

教えてくれませんか?」


「分かった。

啓、お前受けて」


矢野先輩は長瀬先輩を見る。


「いーよ」


長瀬先輩は
ゆっくりと立ち上がる。


そして木刀を手に持って、
あたしと矢野先輩に近づく。


「さっきのやってみて」


矢野先輩がそう言うと、
あたしと長瀬先輩は構える。


「・・こうだっけ?」


あたしが
少し疑問を持ちながらやると、


矢野先輩は優しく笑って、


「そうなってたから、
こうすんの」


あたしの手を掴む。


・・・パァァァン。


あたしの手を動かして、
長瀬先輩の木刀と
交わさせる矢野先輩。


「こん時、啓が緩めて

面にあてただろ?


その前に、柳原は
すぐに・・・」


矢野先輩の言葉通りに
動く長瀬先輩。


あたしの方に木刀を軽く振る。


・・・ガッ


矢野先輩はあたしの手を動かして
木刀を前に出した。



木刀は反発し合う。



「あー・・・!そっかぁ!」


納得するあたし。



それから5時間。

あたしは
矢野先輩と長瀬先輩と一緒に
練習をみっちりやった。


外が薄暗くなり、いつの間にか
夜の5時になっていた。


「そろそろ部屋に戻るか」


「そーだな。


柳原、来いよ」



二人は片付けてるあたしを
見ながら待っていた。


「あ・・・っ!
待ってください!」


慌てて駆け出すあたし。



そのあと部屋に戻るあたし達。


部屋に戻ると、
各自温泉に入って体を休めた。


1時間後。


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