天蓋花―テンガイバナ
今までの少し大人びた笑みとも、からかうような口調とも似合わない、その表情。

俺には覚えがある。

この表情、なんでや?
何を感じてる?

この子を苛めたらまた怒られるで?

そう思って、焦ってその思いを打ち消す。

誰に怒られるんや?
俺に?
いや、おかしいやん。

自分がついさっき咄嗟に思ったことの理由が分からない。

ただ昔に似たようなことがあった気がした。

それだけ。

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