天蓋花―テンガイバナ

「うわっ…!」

「…?」

足に当たったのは、小さな女の子の手だった。

あまりに大げさに驚く俺に対して、その女の子は柔らかに笑う。

「おにーさん、大丈夫?」

彼岸花の中なんかにいたから、驚いただけだ。

落ち着いて見ると、ただの可愛い小さな女の子。

あんなに驚いてしまった自分が馬鹿にされた気分がして、情けなく思えて来た。

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