天蓋花―テンガイバナ
ものすごく普通に言われたその単語には、この場で花に対して言われるには不自然だった。
小さな女の子が花に対して"友達"と言うだなんて可愛いじゃないか。
頭ではそう思っても、変に違和感を感じる。
なんでやろ?
花が彼岸花やから?
いや、分かってる。
なぜか不自然なその響きの理由、それは"友達"と言う口調がかなり本気で、寂しそうで
…表情が大人びていたから。
恐かった。
何か踏み込んではいけないような空気が背筋を震え上がらせる。