忘れたい 忘れたくない
" おはよ "
その日以来、トオルは朝から、あたしが職場に着くまでと、あたしが家に帰ってから、トオルが家に着くまで
" おやすみ "
毎日、たくさんのメールをくれた。
あたしは、どんな時でも携帯を離さず
トオルからのメールにすぐ返信した。
何でもない、たわいもない話。
相変わらずデートの誘いは断っていたけど。
段々と隠せなくなる自分の気持ちにも気付いていた。
ねぇ、トオル。
トオルからのメールは、あたしのパワーの源だったの。
トオルからの着信音は今でもまだ残してる。
―― we will ――
トオルが好きだったあの歌は
今もまだ聴けないよ。