忘れたい 忘れたくない

平日の昼間、アウトレットモールは閑散としていた。

服を見たり

帽子を見たり

スニーカーに悩んでみたり

だけど結局何も買わずにランチをした後、

並んでベンチに座った。

目の前には海。




こんなデートらしいデート、何年振りだろう。




…… トオルは、いつ以来のデート?




ふと気になって、言いかけた言葉を

あたしは飲み込んだ。




だって

トオルはとても穏やかな笑顔で




あたしを見ていたから。




< 16 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop