あんでっど
同級生が縁日に誘ってくれても、美春は行けなかった。
一度、黙って行きかけたが母に見つかってしまった。
怒られる!と首を縮めた美春を母はぎゅうと抱きしめて泣き出したのだ。
母は美春が大きくなったら説明するからと涙を流しながら言い聞かせた。
小さな美春は、母の涙にショックを受け、以後、決して約束を破ることはなかったし、母に神社に行ってはいけないのは何故かという質問もしなかった。
だが…何故、今頃になって、長寿庵のおばあちゃんまでもが同じことをいうのだろう…。
そもそも、おばあちゃんが苦しい息の中で途切れながら言った言葉だ。
両親と同じことを言ったかどうかは確実ではない。
3日すぎても猛からの連絡がないので、美春はまた長寿庵へと出かけた。
「しばらく休業致します。」
という紙が店の玄関に張られているだけで、中の様子が分からない。
入院したままなのだろうか、あるいは…
「お嬢さん…」
救急車を呼んだ、猛の母親だった。
「おばあちゃんは…」残念ながら途中でなくなりましたとおばさんは答えた。
それを聞いて美春の目から涙があふれた。
泣き出した美春を、おばさんは店の中に招き入れた。
一度、黙って行きかけたが母に見つかってしまった。
怒られる!と首を縮めた美春を母はぎゅうと抱きしめて泣き出したのだ。
母は美春が大きくなったら説明するからと涙を流しながら言い聞かせた。
小さな美春は、母の涙にショックを受け、以後、決して約束を破ることはなかったし、母に神社に行ってはいけないのは何故かという質問もしなかった。
だが…何故、今頃になって、長寿庵のおばあちゃんまでもが同じことをいうのだろう…。
そもそも、おばあちゃんが苦しい息の中で途切れながら言った言葉だ。
両親と同じことを言ったかどうかは確実ではない。
3日すぎても猛からの連絡がないので、美春はまた長寿庵へと出かけた。
「しばらく休業致します。」
という紙が店の玄関に張られているだけで、中の様子が分からない。
入院したままなのだろうか、あるいは…
「お嬢さん…」
救急車を呼んだ、猛の母親だった。
「おばあちゃんは…」残念ながら途中でなくなりましたとおばさんは答えた。
それを聞いて美春の目から涙があふれた。
泣き出した美春を、おばさんは店の中に招き入れた。