ソレデモワタシハアナタヲアイス
デートとは
「何…コレ?…」
俺の質問に美咲はバツが悪そうな顔をした。
「コレって何よ!失礼じゃない!」
「本当だよね。せっかく来てあげたのに」
俺がコレ呼ばわりした真由子と隆太は息を揃えた。
「ほ、ほら、皆の方が楽しいでしょ?」
美咲は予測していたであろう俺の反応をチラチラとうかがった。
誰もが期待を膨らませた英論文大会で、美咲は裏切る事なく優勝した。
そしてやっと学校から解放された美咲に、俺は初めてデートを申し込んだ。
話題のデートスポットをリサーチして、今日の為に新しい服も買った。
いつもは部活で汗だくになる為、何もしていない髪にだってワックスを付けた。
なのに!
それなのに!
どうして待ち合わせ場所にした駅に、隆太と真由子まで居るのだろう。
―――これじゃいつもと変わんねぇじゃん!―――
俺の淡い下準備が無駄になった事が確定した。
< 113 / 435 >

この作品をシェア

pagetop