ソレデモワタシハアナタヲアイス
「もう良い…行くよ…」
俺は肩を落として改札口に向かった。
「そ、空人!今日どこ行くの?」
俺の態度を心配してか美咲が駆け寄って来た。
「…ジェットコースターがある所」
美咲の顔が少し明るくなった。
きっと美咲が隆太と真由子を誘ったんだと俺はすぐに気付いた。
やっぱり俺と2人きりになる事を拒否っているとしか思えない。
―――俺、なんかしたっけ?―――
俺が答えの出ない迷宮をさまよっている間中、3人は遊園地で何に乗ろうかという会議で盛り上がっていた。
つくづく俺はツイていない。
初めての美咲とのデートだというのにすっかり雰囲気はいつもの放課後のノリだった。
美咲との距離を縮めようとして、今日のデートにやっとこぎつけたというのにあんまりだと思う。
俺は移動中、心からの怨みを込めて隆太と真由子を睨み続けた。
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