ソレデモワタシハアナタヲアイス
「私、好きじゃない人とは付き合わない主義なの」
振り向かないまま美咲は答えた。
俺はそんな美咲から目を離さなかった。
―――あれ?―――
俺はある事に気付いた。
「美咲、こっち向けよ」
自然と顔がニヤけてしまう。
「な、なんでよ?」
明らかに美咲は動揺している。
「良いからこっち向いてみろって」
隠そうとしてもついつい声が笑ってしまう。
「良いから放っといてよ!」
きっと美咲は俺が面白がっている事に気付いている。
俺はさっき気付いた事を確かめる為に、美咲の肩を一気に自分の方に引いた。
ずっと俺に背中を向けていた美咲は、見事に俺のひざの上に倒れ込んだ。
「!?」
状況が飲み込めていない美咲にかまわず、俺は美咲の顔に自分の顔を近付けた。
「なっ!ちょっとストップ!」
美咲の精一杯の力が俺ののどを押し返す。
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