ソレデモワタシハアナタヲアイス
そんな僅かな抵抗を無視して、俺は美咲の額にひとつキスをした。
「真っ赤になってやんの」
思った通り、美咲は後ろから見た耳と同じ赤い顔をしていた。
「もう…何すんのよ…」
俺のひざの上で真っ赤になった顔を両手で覆う美咲を見て、俺は初めて隆太の言葉を信じる事にした。
―――恥ずかしいだけかよ―――
分かれば簡単だった。
「おまえ、難し過ぎんだよ」
美咲の今までの行動を思い返してみるとなんだか笑えて来る。
勝手に笑い始めた俺を美咲はまだ熱の退かない顔で睨んで来た。
―――ヤバイ…これはハマるかも―――
俺はどうしようもなく美咲を好きになっていた。
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